長く、大切に育てるために「革製品のお手入れ方法」【4th day】

革製品を長く大切に使うためには、日々のちょっとしたお手入れが鍵になります。でもお手入れってどういう風にするのが正解?コツってあるの?今回は、そんな購入後の革製品のお手入れ方法や、キズがついてしまった時、急に雨に降られて濡れてしまった時などの暮らしの中の「あるある」への対処法を、ヘルツ仙台店の販売・製作担当の佐藤さんにお聞きしました。

「革製品の日頃のお手入れで行いたいのは“オイルメンテナンス”ですね」
「オイルを塗るお手入れですか?」
「そうです。厳密には革の種類によりお手入れ方法は異なるのですが、ヘルツの革の場合は極力革本来の風合いが楽しめるよう自然な仕上がりになっているため、乾燥しない状態にすることがより長持ちする秘訣になります。乾燥に弱いというのはどの革にも言えることではありますが、そういう点でもオイルメンテナンスは、革製品と長く付き合う上で大切と言えますね」
「なるほど!オイルメンテナンスと聞くと響き的に少しハードルが高いような感じがしますが、特別な知識や技術が必要だったりするのでしょうか?」
「大丈夫です!初心者さんでも普通にご自宅でケアすることができますよ」
「それは嬉しいですね!それでは、どんなオイルが使いやすいのか・塗る際のコツやポイントを教えてください」
「分かりました!オイルメンテナンスのメリットに触れながら、実際にやってみましょう!」

オイルメンテナンスのお手入れの効果・メリット

オイルメンテナンスはメリットだらけ!どんな効果があるのか見てみましょう。

①乾燥によるひび割れ防止
乾燥や劣化によるひび割れを防ぎ、革表面を艶やかに保ちます。
②汚れや水シミ、カビ防止
撥水効果が高まるため、汚れや水シミ、カビ防止に役立ちます。オイルを塗っていない無防備な状態だと水が染み込みやすくなり、それがシミになってしまう場合がありますが、事前に塗っておくことで濡れてもタオルなどでサッとふけば目立たなくなります。
③細かなキズも目立たなくなる
オイルを塗ることで、細かなキズを目立たなくすることができます。
④紫外線による色抜け防止
衣類が日焼けをして白っぽくなるのと同じで、革も紫外線に当たりすぎると色が抜けて白っぽくなる場合があります。オイルメンテナンスをすることでこの色抜けを防ぐことができます。
⑤オイルメンテナンスの目安は約2ヶ月に1回が目安
オイルメンテナンスの目安は約2ヶ月に1回とゆったりペース。メンテナンスの回数や手間が少なく無理なく始められます。

初心者さんでも使いやすいオイル

基本的に、革鞄用のオイルであればなんでもOK!今回はヘルツでも長く取り扱っている天然原料オイル「ラナパー レザートリートメント」を使ってメンテナンスしていきます。ラナパーはドイツ生まれの天然由来成分100%のレザーケア用ワックスです。主成分が天然の蜜ロウとホホバオイルで、気になる臭いやベタつきもなく使いやすいため、初心者さんからベテランさんまで幅広く人気なのだそうです。
ラナパー レザートリートメント(3,300円)はお店やヘルツHPからも購入できます。

長く大切に付き合うために「オイルメンテナンスの方法・コツ」

①オイルメンテナンスに入る前に、馬毛ブラシや柔らかいきれいな布で乾拭きし、鞄の汚れやホコリを落とします。

②ラナパーは固形タイプのため、付属のスポンジにほんの少しだけ軽く取り、くるくると円を描くように均一な力で素早く塗ります。塗る時は一気に広域に塗り広げるのではなく、小さい面積を数回に分けて塗っていくのが綺麗にケアできるポイント。また、オイルは多く取りすぎると最初に塗ったところだけ濃くなってしまう場合や綺麗に広がらない場合があるため注意しましょう。

③塗る場所はどこからでもOK。ダメージを受けやすく、より乾燥しやすい底面や四隅は気を付けて塗っていくと◎。逆にハンドル部分などのよく触る部分は、手の油効果で保湿されやすい状態なので、オイルを塗らなくてもいい場合があります。その時の鞄の状態を見て決めましょう。

④塗る場所はどこからでもOK。鞄の面積が広いところはスポンジの面で、角やベルト部分などの細かい部分はスポンジの角を使って丁寧に塗りましょう。

⑤全体的に均一に塗るため&鞄の形を損なわないため、革が柔らかい箇所やシワがクセになっている箇所などは鞄の内側に手を入れ、塗る箇所の裏側から手を当てて行うと綺麗に塗ることができます。

また、ラナパーの場合は革だけではなくファスナーなどの金属類にも塗ることができます。ファスナーに塗ることで滑りがよくなるため、より使いやすい状態で長持ちさせることができるそうです。

⑥塗り終えたら約3時間ほど触らずに自然乾燥させましょう。

オイルメンテナンスのポイントまとめ

①オイルを塗る前は乾拭きし、鞄の汚れやホコリを落としてから行おう。
②オイルはスポンジ表面に軽く付くぐらいの少量でOK。
③くるくる円を描くように素早く軽く均一の力で、同じところを何度も塗らないように注意。
④やわらかいレザーや使用していく内にシワがクセになった場所は、内側に手を入れて形を安定させて塗ろう。
⑤鞄の面積が広いところはスポンジの面で、角やベルト部分などの細かい部分はスポンジの角を使って丁寧に塗ろう。

※革の種類によってはオイル塗布が必要ない場合もあるため、革鞄を購入したそれぞれのお店で確認してください。

また、ハンドル部分などのよく手で触れるところとそうでないところでは経年変化の仕方が変わります。よく触ることによってツヤが出て、色も濃くなったりするので、オイルメンテナンスを全体にすることでそういう差を少なくして全体的に綺麗に経年変化をさせる効果もあるそうです。

鞄の裏面は(裏面が革の場合)塗る必要はないそう。ヘルツの場合は耐久性重視のため内張りがなく内側も革でできていますが、表面に塗布したオイルが浸透するのでそれで十分。裏面に塗るとベタついたりもするので、基本表面だけでOKです。

急に雨に降られてしまった!「濡れた時のケア方法」

急に降ってきた雨などの水が革にかかってしまった場合は、なるべく早く対応するのが水によるシミを防ぐ鍵です。

①雨に濡れた箇所の水シミと馴染むように(濡れた箇所の色の濃さが同じになるように)、濡れた布で革全体を水拭きします。

②革全体が濡れて均一の色の濃さになり、シミが目立たなくなったら自然乾燥させます。

【注意】乾燥させる際はドライヤーなどの高温による乾燥はNGです。ひび割れや傷みの原因になってしまいます。

③自然乾燥後は革が乾燥した状態のため、オイルを全体に塗ってケア完了です。

思わずこすってしまった!「キズや汚れがついた場合」

軽いこすりキズのようなものはオイルメンテナンスをすることで目立たなくなります。黒ずんだ軽い汚れの場合は、市販の消しゴムで軽くこすると落ちやすくなります。

それ以外で修理が必要になった場合は?

取っ手部分の交換や金具・ファスナー交換、やぶれ補正など、長く使う間で弱くなってきた部分はお店でプロが修理・対応してくれるので安心です。
※革製品の修理はヘルツで購入した商品のみになります。

←この写真は鞄の内側のメンテナンスをする際の様子(イメージ)。内側の傷みが気になった場合はこのように「ふのり」を使用してメンテナンスするのだそうです。


「使う」ことが最高のお手入れ

毎日触って、使うことが最高のお手入れになると佐藤さん。「ヘルツは創業時からものづくりに対する姿勢や、人とのご縁や繋がりを大切にしてきました。これからもその姿勢を守りながら、ヘルツの商品を迎えてくださった方たちに、より長く使っていただきたいです。メンテナンスにも気軽にいらしていただきたいですね」と笑顔です。

日々のメンテナンスやプロの手による修理を経て大切に使いながらも、キズやシワなど使っていく中で鞄の表情や歴史として刻まれていくものもあります。革が育っている過程の味わいの1つとして楽しみたいですね。

働く女性にドンピシャなアイテム紹介

魅力的な商品の中から、仕事もプライベートもより充実するような素敵なアイテムをご紹介します。

どんなところへも連れて行ける
「プチミニョンQ-10」

可愛らしさのあるミニマムなサイズ感でありながら、必需品はしっかり収まる絶妙なサイズのレディースバッグ。お財布やスマホ、手帳やポーチなどお出かけに必要なものは十分に収納OK。
2wayでショルダータイプにも。40,700円

遊びにも仕事にも使える、実用派トート
「T-3」

外見からはステッチも見えないシンプルなデザイン。内側には大きなポケットが4つ付き、お財布やスマホ、メモ帳など鞄の中で埋もれがちなアイテムもしっかりまとめ上手。23,100円(XS)、30,800円(S)、35,200円(M)※写真はMサイズ

軽くてシンプルに使いやすい
「リュックサックG-20」

荷物の取り出しがスムーズに行える大きな間口と背面のファスナーで、収納部へのアクセスがストレスフリー。A4サイズの書類などもすっぽり収まるサイズ感でプライベートはもちろん仕事でも大活躍。50,600円

大容量アコーディオンウォレット
「WL-4」

使うほどに手になじむ本格革財布。アコーディオンのように広がるマチで、それぞれのポケットが大きく開き取り出しやすい。安心感のある厚みと使い勝手のいい金具も魅力。26,840円

良質な豆差し名刺入れ
「KV-1」

ワンタッチで簡単開閉。2部屋収納で実用的。しっかりとしたハードレザーに目を引く金具がアクセントになったアイテム。4,950円

知れば知るほど味わい深さを増す革の魅力。革製品のある暮らしから、日常に新しいアクセントを取り入れてみませんか?

1つひとつ個性のあるアイテムの中から「自分の好き」を探しに行ってみよう!

鞄の使用用途に合わせたアイテム選びに関する相談や、セミオーダー、修理に関してなど、気さくなスタッフさんたちがお話を聞いてくれますよ!

DATA

HERZ 仙台店
TEL022-395-7461

仙台市青葉区本町2-10-33 第二日本オフィスビル1F

・アクセス 地下鉄南北線「広瀬通駅」より徒歩約5分
・営業時間 12:00〜19:00
・定休日 水曜・木曜
・ホームページ https://www.herz-bag.jp/shop/sendai
・Instagram @herz_bag

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