御朱印・ご縁巡り 出雲市編「あぶる御朱印!?長浜神社」【3rd day】

出雲国風土記の「国引き神話」の中で、国を引っぱってきたという八束水臣津野命(やつかみずおみつぬのみこと)他2神をご祭神とする長浜神社。勝負事の神様として知られ、商売繁盛や試験など「ここぞ」という時にお参りをする方も多いそうです。
境内は入り口からは想像ができないほど広く、穏やかな空気が流れまるで別世界かのようでした。そんな境内を目指し、さっそく歩いていきます。

この階段が続く道の先にあるはずですが…。全く先が見えません。

「長い道のりだなぁ」と思うのも束の間。歩みを進める間、鳥のさえずりがあちこちから聞こえ、木漏れ日がきらきらと道に落ちる道中はリラックス効果抜群。階段を登り続けているのに、その疲れを感じることなくサクサク歩けます。

階段中腹ぐらいからは、道の両サイドに小さなお社が等間隔で並んでいます。ちょこんとしていて可愛いです。

入り口が見えてきました!

ドキドキしながら門をくぐります。



境内の広さはなんと約13,000㎡!拝殿は神明造り風で、荘厳な雰囲気を醸しています。

長浜神社には「縁結び手形・願ひ綱」というものがあり、手形に願いを書いて三瓶山の近くにある佐比賣山神社の「叶え杭」に結ぶと、福を繋ぎ、願いを叶えると言われているそう。2つの神社をハシゴして縁結び祈願をするのが人気となっているそうです。

ご本殿は大社造り変態と呼ばれる、古代からの建築様式。美しいです。

さて、長浜神社には色々な種類の御朱印があるとのことですが、一体どんな感じなんでしょうか。たくさんの進化系御朱印が生まれた秘密を宮司さんにお聞きしました。

編集(以下:編)「よろしくお願いいたします!」
宮司さん(以下:宮)「よろしくお願いします!写真ですか?ハレーション起こさないといいんですが(笑)」

とってもラフな雰囲気の宮司さん。お話しているだけで元気になれる、歩くパワースポットのような面白い方です!

長浜神社の御朱印

編「わぁ!たくさんの種類があるんですね」
宮「参拝者の方々からのたくさんのリクエストをいただき、文字が金色のものや絵柄が入ったもの、季節限定のもの、神社名が入ったものや神様のお名前が入ったものなどたくさんの種類が生まれ現在に至ります。本来御朱印は、その神社・お寺さんに納経した証明証です。そのため長浜神社では“奉拝”という言葉はあえて書かないようにしていますね」
編「台紙の色もカラフルで、これは思わず目移りしてしまいそうです」
宮「色々と進化し続けている長浜神社の御朱印ですが、つい2ヶ月前から“炙り出し御朱印”というのを始めたんです」
編「炙り!初めてお聞きしました!」

炙り出し御朱印をいただくため、拝殿へお参りをした後、社務所「三身舎」へ向かいます。御朱印や勝負事のお守りをはじめ、ここにしかない個性的な手作りお守りがずらっと並んでいます。願い事を書く「願ひ綱」や神職手作りの「お願いお狐さま」、国引き神話に由来する開運グッズも授かることができます。

そして、気になる炙り出す御朱印がこちら。

宮「炙ることで色々な絵柄が出るようになっていますから、おみくじ感覚で楽しんでいただけると思いますよ」
編「ワクワク!どうやって炙るんですか?」

\御朱印専用トースター/



編「パンの焼けるようないい匂いがします…」
宮「これ(トースター)で直前までパン焼いてた?って他の参拝者さんからも言われます(笑)パンは焼いていません。御朱印専用です」

いい匂いに包まれた、焼きたてホカホカの編集部の御朱印がこちら!

フライパンとお玉を持ったクマさんです!炙り出される絵柄は現在22種類あり、絵柄ごとにそれぞれのご神徳があるのだそうです。ちなみにクマは「料理上達」。

今までの季節限定の御朱印がファイリングされたものも見ることができるようになっており、冊数の多さに長浜神社の歴史と参拝者からの愛を感じた編集部でした。

DATA

長浜神社
TEL0853-28-0383

島根県出雲市園町上長浜4258

・ホームページ http://www.nagahamajinja.com/

8.御朱印・ご縁巡り 出雲市編「神様が最後に発つ神社 万九千神社」

神在月において、八百万の神々が最後に立ち寄り神議(かむはかり)や直会(なおらい)を催すと伝わる万九千神社(まんくせんじんじゃ)。少なくとも1,300年前にはその歴史を遡ることのできる、由緒ある神社です。ご祭神に櫛御気奴命(くしみけぬのみこと)、大穴牟遅命(おおなむちのみこと) 、少彦名命(すくなひこのみこと)、そして日本中の八百万神(やおよろずのかみ) を祀っています。

神々が旅立つ神社ということで、旅行の安全無事、諸会議や宴の円満成就、縁結びや病気平癒などにご利益があるとされています。地元の人々からは「万九千(まんくせん)さん」と呼ばれ 親しまれているそうです。

万九千神社の御朱印

手水舎で体を清めお参り後社務所へ。神在祭期間中ということで、期間限定の「神在みくじ」や御神酒「からさでの梅酒」などが並んでいます。

シンプルで力強い御朱印です!ありがとうございました。

(余談)
神社周辺に気になるお店を発見!

1つの通りにいくつもの「栗まんじゅう屋」さんが露店してました。 仙台では見たことがなかったのですが、このあたりではなじみのある食べ物だそう。

見た目は栗の形をした大判焼きのようです。中に白あんと栗が入っているものと粒あんがぎっしり入ったものの2種類があります。もし島根に来た時に見つけた方は是非食べてみて下さいね!

DATA

万九千神社
TEL0853-72-9412

島根県出雲市斐川町併川258

・ホームページ http://www.mankusenjinja.jp/hosankai

9.御朱印・ご縁巡り 出雲市編「気持ち静まる 出雲大社」

縁結びの神様として名高い「出雲大社」は、神話のふるさと出雲を代表する日本最古の大社で、国宝・重要文化財にも指定されています。主祭神である大国主大神(おおくにぬしのおおかみ)を祭り、縁結びのパワースポットとして、国内外からたくさんの参拝客で賑わっています。「平成の大遷宮」が平成31年3月に完遂され、全容を見ることができるようになりました。それにしても神楽殿正面の大注連縄(おおしめなわ)、日本最大級とあって生で見ると迫力が違います。大きい…。これを支えている建築もすごいですね。

写真の中央奥にそびえ立つ、一の鳥居と呼ばれる「宇迦(うが)橋の大鳥居」から出雲大社に向かって歩き出します。

一の鳥居「宇迦(うが)橋の大鳥居」から二の鳥居「勢溜の大鳥居」の間にある「神門通り」は代表的な観光スポット。風情ある石畳とむかしながらの佇まいを残し、ご縁の地・出雲を表すかのような飲食店やお土産屋さんがずらりと、通り一体が賑わいを見せています。

続いて二の鳥居「勢溜の大鳥居」をくぐります。

「祓社(はらえのやしろ)」、「祓橋(はらえのはし)」を通り、心身の穢れを祓い清めていただきつつ先に進みます。御本殿に向かう参道は神社仏閣には珍しい下り坂になっています。

松の参道の中央は神様の通り道となるため、両脇の道を歩きます。この時点でもまだ先の様子は見えません。

歩みを進めていると境内のいたるところにうさぎの石像を見かけます。サメを騙したために全身の皮を剥がされてしまったうさぎを、出雲大社の主祭神である大国主大神が救う「因幡の白うさぎ」神話になぞらえているそう。

1匹1匹表情が異なるうさぎたちは、全部で約50体! 御本殿裏や西側の参道にも飛び跳ねていたので、 ぜひ見つけてみてください。

そして四の鳥居「銅鳥居」をくぐる前に手水舎で心身を清めます。ここで出雲大社の参拝方法を見てみましょう。

出雲大社の参拝方法「二拝四拍手一拝」

①前述した、神門通りから拝殿までの4つの鳥居(石・鋼・鉄・銅)をくぐり、心を整えます。神様の通り道である中央は避けて歩きます。
②参拝する前に「祓社(はらいのやしろ)」で心身の汚れを清めます。
③手水舎で清めます。
④拝殿でお参りをします。神前に立ちお賽銭を入れた後、二拝・四拍手・手を合わせ参拝の感謝を伝え、最後に一拝をします。

通常神社の参拝は「二拝二拍手一拝」ですが、出雲大社は4回拍手を行います。その理由は、出雲大社毎年5月に行われる「例祭」という大きな祭典にあるそう。例祭の3日間は無限を意味する八8を用いて8回拍手を行います。そのため日常ではその半分の回数で、というのが理由だそうです。4回手を合わせる=“しあわせ”の意味もあるのだとか。

国宝の御本殿は1744年の江戸中期に造営され、3度の御遷宮を経て受け継がれてきたものです。葺き替えられた屋根と、当時の技法で蘇った千木の美しさが訪れる人の心を掴んでいます。

旧暦10月の神在月(全国は神無月)には、出雲に全国から八百万の神々が集まり、7日間の神議りを行います。その間宿泊する「十九社」は出雲大社の境内・東西にあり、滞在期間中のみ全ての扉が開かれます。写真では神議りが終わった後のため、再び扉が閉じています。

出雲大社は年間600万人を超える参拝者や観光客で賑わうそうで、取材日も神在月最終日間近であったこともあり、多くの人で賑わっていました。

ここですごいものを目にしました。それがこちら。

御本殿の周りを囲む端垣の、この木の部分と石垣の境目を見てみてください。

木に合わせて、1つひとつ形の異なる石が切り抜かれています!なんという職人技でしょうか…。じっくり巡っていると丸々1日境内で過ごせてしまうほど、いたるところに魅力が詰まっています。

出雲大社の御朱印

出雲大社は「神楽殿」・「八足門前」の2箇所で御朱印をいただくことができます。受付時間は3月〜10月は6時〜20時まで、11月〜2月は6時半〜20時までとなります 。どちらも御朱印帳に直接書いていただくことができます。

▼「神楽殿」の御朱印受付所。

▼「八足門前」の御朱印受付所。

どんな御朱印かは、訪れてからのお楽しみ!ぜひ出雲大社を参拝される方は立ち寄ってみてください。

(余談)
出雲大社近くの山に勾玉模様があることを教えていただきました!出雲大社へ向かう際は、道中少し上を眺めながら通るとハッピーになれるかもしれません。

DATA

出雲大社
TEL0853-53-3100

出雲市大社町杵築東195

・ホームページ http://www.izumooyashiro.or.jp/

10.ご縁の地でとっておきを見つける「御朱印帳専門店 しるべ」

神門通りにお店を構える「御朱印専門店 しるべ」には、150種類を超える御朱印帳が並びます。中でも人気のしるべオリジナルの御朱印帳は、布の印刷や蛇腹で紙一面一面が筒状で両端にのりが入った複雑な製本を国内で高度な職人の技で手作業で仕上げたものだそう。

御朱印専門店しるべは「めのうの店 川島出雲大社店」 1階の入り口から2階に上がった所にあります。



御朱印帳専門店しるべの店長 川島健さんに、お話をお聞きしました。

川島さん「御朱印は参拝の証として神社やお寺でいただけるものです。それぞれの場所によってゆかりのものがモチーフになっているなど千差万別の描かれ方がありますが、押し印と墨書きされるものが一般的ですね。そんな大切な御朱印をいただく御朱印帳は、見返す楽しみや色々な魅力が詰まっていると思います。お気に入りの一冊に出会ってもらえたら幸せですね」

これだけの種類の御朱印帳が一堂に会していること自体が珍しいので、一度に多種多様なデザインとサイズ展開を見比べられるのも嬉しいですね。



出雲つながりで「ご縁」を担ぎ、出雲をテーマにしたデザインの御朱印帳も人気なのだとか。

「因幡の白うさぎ」をモチーフにしたものも。

中には黒柿独特の味わいのある模様を活かした1点ものの希少な御朱印帳もあり、しっと り手に馴染みます。 出雲 黒柿 小判/小判サイズ(8,640円)

御朱印帳は、神社用・お寺用と必ずしも分けなければいけないという決まりはないそうですが、御朱印の雰囲気が異なるので2つに分けて持たれる方も多いのだとか。お寺のモチーフでデザインされたものも。納経帳 大判サイズ(1,728円)

その他にも、御朱印帳と一緒にあると便利なアイテムも並んでいます。これは鳥居付きデザインがキュートな御朱印帳立て。しるべの焼印が付いたオリジナルデザインです。御朱印帳立て(1,265円)

折りたたんでリボン結びに。巾着の様にも使える御朱印帳ポーチも。御朱印帳ケース(2,200円〜)

麻でできた御朱印帳ポーチも人気だそうです。お守りをイメージした形も可愛いです。

職人が1枚1枚丁寧に染め上げた本格手染め友禅で作った和紙を使用した御朱印長箱。御朱印帳が複数冊になったり、普段から綺麗に保管したい…。そんな願いを叶えてくれます!友禅 御朱印帳箱(1,100円)

魅力的な商品がたくさんの、御朱印帳専門店へ運命の1冊に出会いを求めてみるのもいいかもしれません。

(余談)
神門通りを通りがてら編集部が興味を大いに引かれたものがあります。それは…。

「ご縁横丁」内にあった「ひどいおみくじ」!「因幡の白うさぎ」で全身の皮を剥がされたうさぎに、海水を浴びるといいよとアドバイスした意地悪な神様・八十神(やそがみ)が運勢を見てくれるから「ひどい」おみくじなのだとか。さっそく引いてみました。
開封…。ドキドキの瞬間です。

\開封!/結果は「永吉」!永吉?初めて見ました。どれ、どんなひどいことが書かれているんだろう…。運勢…、がまさかのYAZAWA。そう来るとは。

読んでみると意外と優しく運勢を見てくれていました。あら?八十神様意外と優しいです。裏面は…

「因幡の白うさぎ」を救った、八十神の兄弟でもある大国主大神が温かいコメントをくれました。「ひどいおみくじ」はなんやかんや優しいおみくじでした。

▶︎ 次回【4th day】では器と歴史と暮らしに触れる「出雲民藝館」、日が沈む聖地に舞う神話の世界「出雲神楽」 、絶景に心が洗われる「日が沈む聖地出雲の夕日」をご紹介します!

DATA

御朱印帳専門店しるべ 出雲大社店
TEL0853-31-4355

島根県出雲市大社町杵築南772 出雲杵築屋2F

・営業時間 10:00〜16:00(時期によって営業時間が変わります)
・ホームページ http://www.goshuincho.jp/

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