「ほしい!」を見つける ずっと愛せる東北。vol.3-3

【3rd day】暮らしに寄り添う樺細工たちと、お手入れ方法
多彩な表情が魅力
使う人を笑顔にする暮らしの道具たち

木そのものの生命力や表情を感じさせてくれる樺細工は、自然素材の美しさ、温かさによって広く愛されています。今回は樺細工工芸ギャラリー 直営店アート&クラフト 香月内で出会った数ある魅力的な商品の中から、伝統の技で作られた進化系樺細工をご紹介します。ご紹介しきれなかったものもたくさんあるので、現地やWEBショップ等でお気に入りを見つけてみてください。

総皮茶筒(チラシ、ボカシ等)各9,350円〜
それぞれの皮の特長を活かした、筒の表面と内側、蓋と、すべてに桜皮(山桜の樹皮)を使った“総皮づくり”の1つひとつ違った表情を見せてくれる茶筒。桜皮のアメ色は使い込むほどに深みを増し、美しい光沢が楽しめる。適度な湿度を保つ通気性・通湿性に優れ、抗菌性も持ち合わせた桜皮と、職人の丁寧な手仕事によって密閉性も高く、デリケートな茶葉の保管に最適。

(左)makimaki 16,500円
樺細工と大館曲げわっぱの秋田県の2つの伝統工芸がコラボした茶筒。桜皮と秋田杉の2色構成が美しく、従来の茶筒にはない形と一体感が魅力。手に馴染む楕円形状。
(中)happa 14,300円
山桜の木から1枚の葉が生えているような遊び心あふれる茶筒。錫製の茶箕が蓋部分にセットできるようになっており、実用性とデザイン性を満たした逸品。
(右)Join 7,700円
磁石の力でスタッキングできる小ぶりな茶筒。磁力で重ねても不安定にならず便利。桜皮との美しいコントラストを引き出す帯は全部で8種類。茶筒ごとに違う茶葉を入れて、その日の気分で使いやすい順番に上下を入れ替えるのも楽しい。

(手前)Tsunagu パンプレート 8,800円
白磁、ヒノキ、桜皮のハーモニーが絶妙なパンプレート。美濃焼の磁器でできた本体に、ヒノキ製の持ち手部分を両端に取り付けた「Tsunagu」シリーズのシンプルかつモダンなデザイン。丸洗いもOK。

kapa(左)9,900円(左中)13,750円(右)16,500円
窓から内部が覗ける密閉性の高い3サイズ展開のパスタケース。内部にはそれぞれパープル、レッド、イエローとカラフルな3色が施されている遊び心も。湿気を嫌うコーヒー豆や海苔等にも最適。

Bokashi箸置き 5,500円(各1,100円)
桜皮の表面を少しずつ削って美しいグラデーションを表現した箸置き。自然を強く感じさせる「木そのもの」の表情や、研磨による赤紫の深みのある光沢のある一面が楽しめるセット。

Bird’s Eye 16,500円
メイプル材の2000本に1本の割合で玉粒状の美しい木目の材が現れる「バーズアイ・メイプル」。その希少なバーズアイ・メープルの樹皮を表面に施したコーヒー豆入れ。内部は防湿、防乾、抗菌性もある桜皮加工で日本茶や中国茶葉を入れてもOK。

kasanegasane 13,200円
樺細工と大館曲げわっぱの秋田県の2つの伝統工芸がコラボしたトレイ。曲げわっぱをベースに、その周囲に桜皮がアクセントに。両側の帯を反り上げて少しずらすことで持ちやすくなり、見た目も軽快な印象に。

KAVERS ブローチ
無地Sサイズ2,200円、柄ありSサイズ各3,300円〜、柄ありLサイズ各3,850円〜
樺細工の昔ながらの伝統に、繊細なパターンを施す新たな技術を組み合わせ樺細工を暮らしの中でより身近な存在へ。それぞれの模様に意味があり、その意味からセレクトする楽しみも。

AGING 11,000円
手の温もりで趣深い表情に変化する名刺入れ。使い込むほどに手の温もりによって趣深い表情に変わっていくのが楽しめる。

飾るばかりではもったいない
普段使いしてこそ輝く、お手入れ方法

繊細な見た目や樹皮でできているという点で、「お手入れが難しそう…」そんなイメージを持たれる方も多いのではないでしょうか。しかし樺細工は素材の特性から、見た目の繊細さからは想像できないほど丈夫で耐久性に優れています。樺細工を長く愛用するための一番のポイントは「普段使いすること」!さらに使い込むことによって色艶に味わいが増し、経年変化も楽しむことができます。樺細工を持つのが初めてでも気軽に使い始めることができるのが嬉しいですね。

全ての樺細工製品に共通する使用上の注意点
気をつけるポイントは3つだけ!

①直射日光下への放置
②ストーブなどの熱源近くでの放置
③湿気の多い場所での放置
これらは桜皮の剥離の原因となるため、製品の寿命を縮めてしまいますので避けましょう。

艶が浅くなってきたかも…と思ったら
簡単2ステップお手入れ方法

■色出し(桜皮が赤っぽい色をしている)製品の場合

手から油分が付着することにより、徐々に光沢が浅くなってきたと感じたら…。
①乾いた柔らかい布で軽くこするとで光沢が回復!固い布やこする際力を込め過ぎると桜皮の表面に傷がつく可能性があるため注意しましょう。
②乾いた柔らかい布でこすっても光沢が回復しない場合は、白木たんす用のワックスを少量付け、ワックスが乾いたら柔らかい布で拭き取りましょう。
ワックスを使用したお手入れは、通常年1回程度で十分です。

■茶筒類・文具類製品の場合

製品全体に漆や樹脂類による保護加工を施していないため、水気を避けて使用しましょう。水分が付着した場合は乾いた布で素早く拭き取りましょう。写真左側のような「チラシ皮」と呼ばれる製品の場合も同様です。桜皮に布地が引っかかりささくれる場合があるため、優しく取り扱いましょう。

■トレイ・プレート類製品の場合

表面を樹脂・ラッカー・漆などで保護加工しているため、水洗いしても大丈夫です。通常は軽く水で洗い流すだけで十分ですが、汚れがひどい場合には食器と同様に中性洗剤で洗った後、水で洗い流せばOK。水洗い後は水分を拭き取り、よく乾燥させます。桜皮の貼り物のため、漬け置き洗いは絶対に避けましょう。

「樺細工にとって1番いいのは、普段使いで日常的に使ってもらえることです。人の手で触ることでちょうどよく湿り気が保たれるので、乾燥による割れも防ぐことができ一石二鳥です。使えば使うほど色艶も増してくるので、新品よりもピカピカになっていクノで使い続ける豊かさを楽しむ贅沢がありますよ」と冨岡さん。「職人さんが続く限り修理して使えるので、何世代にもわたって使えるんですよ。ちょっと具合が悪くなってきたなと思ったらぜひご相談ください」

大切に使うことで一生ものの特別な存在になる樺細工。暮らしの中にするりと溶け込む職人の技。伝統工芸品が身近にある贅沢に、いつもの日常が1ランクうるおいで満たされたような気持ちになりますね。

▶︎次回公開の【4th day】全てが1点物。自然と共生する中で職人技で作り出される樺細工たちをお届けします。

有限会社冨岡商店 営業本部・工場
Tel.0187-56-3239

秋田県大仙市上鴬野字熊野71-3

アート&クラフト香月(有限会社冨岡商店本店併設)
Tel.0187-54-1565

秋田県仙北市角館町東勝楽丁2-2

●アクセス/JR角館駅より徒歩20分

●営業時間/9:00〜17:00

定休日/8月13日、他年末年始

●ホームページ(冨岡商店)/https://tomioka-shoten.co.jp

●ホームページ(アート&クラフト香月)/http://ac-kazuki.jp

●オンラインショップ/https://tomioka-shoten.com

●Instagram/@to.mioka.shoten

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